医療現場の苦労は看護師から見ると、医師や同僚、患者、患者の身内と枚挙にいとまがありません。そこで今回は、患者の身内からのクレームについて触れます。医療現場と一言にいっても様々で、内科や外科、整形外科というように診療科によって患者の症状が異なるのが特徴です。高齢化に伴って、高齢者の受け皿になっている病院も少なくありません。そして、年齢が高いばかりだけではなく、症状が難病レベルの患者を多く抱えている病院もあります。
看護師は医師の指示のもと、親身に患者のサポートをするのが仕事です。利き手のマヒを持っているためうまく食事が取れないという患者がいたり、認知症で質問ばかりしたりする患者がいます。さらに、延命措置を打診される家庭もあるでしょう。しかし、中には打診されて申し込んでも、延命措置のための管を通すことや、栄養を点滴で与えることを拒否する家族がいます。これは、延命措置が何かを理解できていない場合に起きやすいです。
延命措置の間、四六時中看護師が側にいるものだと勘違いをしてクレームを入れることもあります。「自分たちが見舞いに来ている間、一回も看護師が来ない、延命措置はどうなっているのか」といったクレームです。その際、対応に追われるのは、多くの患者に対応をしている看護師しかいません。こういった事態に陥らないためには、医師の説明が理解されているのか確認する作業が必要でしょう。一つの手間によって、医療現場が改善される可能性があります。